男の麻雀ポリシー > 【546】『男の役満狙い・13 ツモスーは基本、本当にリーチでいいか?』

【546】『男の役満狙い・13 ツモスーは基本、本当にリーチでいいか?』

【546】『男の役満狙い・13 ツモスーは基本、本当にリーチでいいか?』
 ・リーチでよい

■ 具体例

http://dora12.net/modules/university/meaningless/sample/sample01.html

ツモり四暗刻における立直の可否

第1 はじめに
 また、あんまり役に立たない話をするが・・・。
 一般的な戦術(例「2家立直に対する攻防判断」「現物待ち時の追っかけ立直」等)に関する記事は構成に結構時間がかかるのだ・・・。
 なので、こういう記事からアップされていくということで勘弁して欲しい。


 2010年6月ころ、某人(名前はユキヒコ氏、IDはyukihiko98)がツイッターで次のようなことをつぶやいた。

(以下引用)
「四暗刻テンパイにリーチかけるってどういうことなの?(´・ω・`) 」
「しかも、そのあと四暗刻あがってるし」
(引用終了)

 このとき、私は、四暗刻聴牌がツモり四暗刻聴牌(シャンポン待ち)と勘違いし(実際のところはどうかは分からない)、次のような返信を返した。

(以下引用)
「期待値計算をしていないので、個人の妄想で答えると、『相手の攻めを封じ(ベタオリさせる)ながら、ツモ和了率を上げ、四暗刻の和了率を高める』ということでは?そうだとすれば、この方法が著しく不合理とまではいえない。」
(引用終了)
 なお、文中「著しく不合理とまでは言えない」とあるが、これは単に、合理性判断に自信がないから、著しく不合理かで判断しているに過ぎない。

 さて、私はツモり四暗刻聴牌の場合立直をしている。
 立直をすることにより、相手の行動を制限し、かつ、相手にベタオリをさせることによりツモ率を高め、よって、四暗刻和了率を高めるためである。
 しかし、これは本当に正しいのだろうか?
 上記発想は、ただの妄想に過ぎないのではないだろうか?

 その点を検証するために数値シミュレーションを行った。


第2 シミュレーションの仮定
 シミュレーションにおける仮定は以下のとおりである。

 1 自分は南家・8順目・赤なしで先制聴牌(他家はノーテン)する。
 2 自分はツモり四暗刻(ロンだとトイトイ三暗刻)の聴牌をしている。
 3 ランダム牌和了率は通常の悪形待ちとする。
 4 相手の自分に対するランダム牌放出係数は、ダマの場合は0.8、立直の場合は0.5とする。
 (つまり、無筋123又は片筋456待ちのシャンポン待ちだと考えてくれればよい)
 5 その他の事項は、通常のシミュレーションと同じものとする。

 なお、現時点で通常のシミュレーションの仮定について明示していないが、詳しい仮定については、シミュレータの精度等で書くので少し待って欲しい。


第3 結果
 1 ダマの場合
順目8,流局率7.933,和了率53.087,放銃率14.158,被ツモ率12.048,和了時ツモ割合27.58,他者他者率12.774,他家立直棒取得率,13.256,
ツモ率14.644,和了時他家立直割合24.97,
総期待値7129.007,和了時期待値14870,放銃時期待値-4907.7,被ツモ時期待値-1720.9,流局時期待値1728.2,
全体プラス率61.02,全体マイナス率26.206,
和了時3900以上割合100,和了時7700以上割合100,和了時11600以上割合27.58,

 2 立直した場合
順目8,流局率18.277,和了率48.703,放銃率11.666,被ツモ率10.167,和了時ツモ割合38.5,和了時一発割合18.34,立直棒没収率33.02,
他者他者率11.187,他家立直棒取得率,11.485,ツモ率18.753,一発率8.937,和了時他家立直割合23.58,他家立直率38.359,
総期待値8067.178,和了時期待値18515.7,放銃時期待値-6600.4,被ツモ時期待値-2916.9,流局時期待値1246.9,
全体プラス率66.98,全体マイナス率33.02,
和了時3900以上割合100,和了時7700以上割合100,和了時11600以上割合57.06,

第4 考察
 まず、ダマの場合の和了率は53%、立直の場合の和了率は49%であった。
 両者の和了率に大差がないのは、「ダマにした場合、自分が和了する前に相手に追いつかれることが多いからである(全シミュレーション中、他家3家のうち1人が聴牌する確率は77%近くあった)」
 また、「数牌の当たり牌を引いたところで100%切られるわけではない」というのもダマの和了率が低い理由になるだろう(和了時ツモ割合が25%まで下がらない)。

 なお、ダマの結果については、「科学する麻雀」とは異なる条件で行っている。
 詳細な条件については、「先制ダマ等の再シミュレーション」(「シミュレータの精度」を書いたあとで書く予定)で書くつもりなので、それまで少々お待ちいただきたい。


 次に、両者の局内収支期待値を比べてみると、ダマが約7000点、立直が約8000点となった。
 立直の方が有利そうに見えるが、打点(和了時の収入期待値)が14000点〜18000点あるため、誤差を考えるとなんともいえない。
 ここでは、「局内収支期待値的には、立直の方がやや有利」という結論にしておく。


 そして、両者のツモ率を見ると、ダマ時のツモ率は約15%、立直時のツモ率は約19%であった。
 どうやら、立直したほうが四暗刻和了率は高くなるようである。

第5 結論
 どうやら、上で述べた「立直をすることにより、相手の行動を制限し、かつ、相手にベタオリをさせることによりツモ率を高め、よって、四暗刻和了率を高」まるというのはただの妄想ではなさそうである。

 以後は、ツモり四暗刻聴牌したときで、順位判断を必要としない(オーラス・オーラス前等)場合にはじゃんじゃん立直しようと思う。

(終)

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